あなたの頭痛はどのタイプ?
1. 一次性頭痛
こんな症状なら病院へ行きましょう
若い女性に多い「片頭痛」
- 片側のこめかみから眼のあたりに痛み
- 月1〜2回、多いときは週1回起きる
- ズキンズキン、ガンガンと脈打つように痛い
- 光や音に敏感になる
- 前ぶれがある
(チカチカした光が視野にあらわれる) - 吐き気や嘔吐を伴う
頭痛のタネ
頭の血管の拡張と炎症・ストレス・遺伝(特に母親も片頭痛の場合)などと関連
中高年に多い「筋収縮型頭痛」
- 後頭部を中心に両側に痛み
- ほとんど毎日起きる
- ギューと締め付けられる痛み
- 首や肩のこり、目の痛みを伴う
頭痛のタネ
精神的ストレス・同じ姿勢での作業などの身体的ストレスなどと関連
若い男性に多い「群発頭痛」
- 左右どちらかの目の奥に痛み
- ある期間、毎日起きる
- キリキリ突き刺すような激しい痛み
- 目の充血、涙目、鼻づまりを伴う
- 春と秋に多く見られる
頭痛のタネ
季節の変わり目・夜間就寝時などと関連
大きな病気がかくれているかもしれない頭痛
2. 二次性頭痛
頭痛患者さまの90%は慢性頭痛。しかし残りの10%は生命に関わる重大な病気(クモ膜下出血、脳腫瘍、脳卒中など)が関係している場合があります。
ふだんと違う症状がでたら、ただちに病院で診てもらいましょう。
ここに注意!
- 突然痛くなった
- 今まで経験したことのない痛み
- 痛みの回数や強さがだんだんひどくなってきている
- 字が読みにくい、書きにくい
- 頭が働かない など
医師には何を話せばいいの?
以下の点を整理してから診察を受けると、医師に頭痛の症状を正しく伝えることができます。
- 痛みはいつ、どんなふうに始まって、いつまで続くのか?その頻度は?
- 頭のどこが痛むのか?それはどんな痛みか?その強さは?
- 発熱や嘔吐、肩こりなど、他の症状はないか?
- どんなとき、何をしたとき痛みが強くなるか?
- どんな薬を、いつ、どれくらい飲んでいるか?
片頭痛 日頃から気をつけておくこと

とくに片頭痛は生活と大きく関わりがありますので、これまでの生活習慣を見直すことも必要です。
食生活では
- 規則正しい食事をする
- グルタミン酸の入った料理は避ける
- アルコールを避ける
(頭痛のときはお酒を飲まない) - コーヒーを飲み過ぎない
- チョコレートを食べ過ぎない
リラックスしましょう
- 規則正しい睡眠
- 日頃からの運動
- 気分転換
- ストレスをためない
体を刺激しましょう
- ストレッチ
- 体操
- マッサージ
首や肩の筋肉を温めたり、
動かしたりしましょう。
病院の治療
じっくり気長に治すぐらいの気持ちで、
治療を受けましょう。
病院での治療は主に薬物療法となります。頭痛=鎮痛剤ではなく、頭痛の原因によって効果のある薬も異なります。
中でも片頭痛に効果があると注目されているのが「トリプタン製剤」です。常備して頭痛が起きたら服薬します。なお「トリプタン製剤」は一般の薬局などでは売っていません。
片頭痛と確実に判断した上で医師が処方する専門治療薬です。
トヨタ記念病院では
危険な頭痛を見逃さないために、
十分な問診と検査を実施します。
同じ患者さまでも、ある日違った原因の頭痛を生じることもあります。「またいつもの頭痛か」という先入観は頭痛診療の落とし穴であり、二次性頭痛を見逃すおそれがあります。
当院では常に「一人の患者さま イコール 一種類の頭痛」ではないことを頭に置き、患者さまへの問診をしっかりとって、緊急を要する危険度の高い頭痛かどうかを判断します。
二次性頭痛の除外が確認できれば、薬物療法を行います。その後は、薬剤の効果をみてかかりつけ医での通院治療になります。
救急車で運ばれた患者さまの中には、クモ膜下出血や動脈解離、髄膜炎の疑いもありますので、頭部CT・MRIや髄液検査などでしっかり対応していきます。
我慢したり市販薬で済ませる方が多いですが、中には危険な頭痛もありますので、一度CTやMRIなどの検査を受けられることをおすすめします。
また、頭痛には痛み止めだけではなく、その頭痛ごとに適した薬を使うことが大切です。悩んでいる方はぜひ医師に相談してください。まず不安をなくすことが大事だと思います。