臨床指標(質評価指標)とは
- 臨床指標(クリニカルインディケーター : Clinical Indicator)
- 質評価指標(クオリティーインディケーター : Quality Indicator)
臨床指標は、医療の質を具体的な数値として示したものです。これにより医療の質を客観的に評価することが可能となるので、最近は質(評価)指標という用語もよく使われています。
医療の質は、1.構造(ストラクチャー Structure)2.過程(プロセス Process)3.結果(アウトカム Outcome)の3つの側面について評価されることが一般的です。
当院では、2005年より臨床指標への取り組みを開始しました。
当院の臨床指標はプロセス指標とアウトカム指標から構成され、2005年の56指標より始まり、最大時では170指標、現在は97指標となり、院内各部署で質向上活動に利用されています。
日本では各臨床指標の定義(計算式や条件)の標準化が不十分であり、各病院から出されている指標の数値だけを単純に比較評価することには慎重になる必要があります。
今回は一般の方が医療の質を分かりやすい情報としてとらえていただけるよう意識して、カテゴリー別に代表的な臨床指標を選んでみました。今後は順次、公開する指標数を増やしていく予定です。
- 1. ストラクチャー 施設、医療機器、医療スタッフ(専門職)の種類と数など
- 2. プロセス 実際に行われた診療行為や看護ケア
- 3. アウトカム 行われた医療の結果(治療成績など)
DPC指標(病院情報の公表)とは
当院は2006年よりDPC(疾病別入院包括診療費制度)対象病院となっており、地域の皆様へ当院診療の理解を深めていただくことを目的として、その保険請求データを利用し、7項目について当院運営状況を示す指標を公表しています。
【データ収集条件】
1. 対象者
- 各年度の退院患者(24時間以内死亡・1週間以内死亡の新生児を除く)
- 医科の保険適用患者で一般病棟入院を対象
ただし、自動車賠償責任保険や労災保険及び自費等の対象患者を除く
2. 各項目の定義
- 患者数
一連の入院を1カウント(転科、転棟があっても1カウント)
患者数10未満は-(ハイフン)で表示 - 在院日数
入院日から最終的な退院日まで - 年齢
入院時点での年齢で公表は10歳刻み(90歳以上は1つの階級にまとめる) - 診療科
医療法に準じた標榜科
【7項目DPC指標】
- 年齢階級別退院患者数
- 診断群分類別患者数など(診療科別患者数上位5位まで)
- 初発の5大がんのUICC病期分類別並びに再発患者数
- 成人市中肺炎の重症度別患者数など
- 脳梗塞の患者数など
- 診療科別主要手術別患者数など(診療科別患者数上位5位まで)
- その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)