栄養科
Department of Nutrition
ごあいさつ
栄養科は患者さまの栄養に関する業務に携わっています。入院患者さまの食事の提供を始め、疾患に合わせた食事内容や食材の選択方法の提案、経腸栄養剤などの選択についての情報提供など業務の幅は年々広がっていると感じています。
食事は楽しみや団らんの場でもあります。患者さまの治療に伴う様々な制限を守りつつ、楽しみの部分も感じていただけるように患者さま一人一人に誠実に向き合っていきたいと考えます。食品に関することでご不明なことなどありましたら、是非栄養士までお声掛けいただけたらと思います。
栄養科 主任
栄養科の仕事には大きく2種類あります。
それぞれの内容をご紹介します。
給食管理
病院給食は入院中の患者さまの栄養状態の維持管理や治療の一部であることはもちろん、退院後の食習慣見直しの参考にしていただけるように栄養バランスや味付けなどに配慮しています。基本の献立は3週間のサイクルメニューですが、患者さまの入院中の楽しみにつながればと季節感を感じていただける素材を使用した献立を作成することを意識しています。
より美味しい病院給食となるように、栄養科スタッフ一同意見を出し合い改善提案をしています。
〈常食〉
〈産後食〉
嚥下関連食種や料理のやわらかさに配慮した食事の作成については、言語聴覚士や看護師など他職種のスタッフの専門的な意見も取り入れながら新しく開発を行っています。
これからも患者さまのご意見を伺いつつ、治療の支えになる食事提供を行っていきたいと思います。
- 【イベント食】暦の行事に合わせ、季節の旬の食材を用いたイベント食を毎月行っています。
- 【バイキング】毎月1回開催しています。
栄養管理
治療の一環として、患者さま個々に合わせた食事療法の提案や必要栄養量の評価を行っています。
栄養指導
個人栄養指導
入院患者さまと外来通院患者さまを対象に、生活習慣病(糖尿病、脂質異常症、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞など)や嚥下調整食、離乳食、食物アレルギーなどの栄養指導を行っています。患者さま個人の食生活や嗜好、食事への思いなども伺いながら長期的に実践可能な方法を提案させていただいています。
集団栄養指導
糖尿病患者さまが入院される病棟では糖尿病の食事療法の基本的な内容をお伝えするために集団指導を毎週行っています。
栄養評価
入院される患者さま全員の栄養スクリーニングを医師・看護師とともに行っています。また、個別に医療スタッフより依頼があった患者さまについても今までの栄養摂取量をお伺いして必要栄養量との比較や充足するための方法などを説明させていただいています。
栄養評価においては特に管理栄養士単独ではなく多職種の医療スタッフと連携して患者さまの状況に合わせた適正な栄養補給ができるように日々考えています。
管理栄養士が参加している主な院内のチームについてご紹介します。
栄養サポートチーム(NST)
全ての入院患者さまに対して入院時に栄養状態の確認をしています。もし、問題があった場合は医師、看護師、薬剤師、管理栄養士が所属する栄養サポートチームが介入します。多職種の医療スタッフが患者さまと相談し、適切な栄養管理を検討しています。必要があればNSTに所属している言語聴覚士、歯科衛生士、臨床検査技師などにも相談にのってもらいアドバイスをいただいています。管理栄養士は給食や経腸栄養剤の種類の変更を提案し、早期退院に貢献しています。
褥瘡回診
医師、看護師とともに回診を行い、患者さまの状態にあわせた褥瘡治癒促進の計画を立案しています。管理栄養士は主に患者さまの栄養評価、栄養補給状況確認にかかわっています。必要に応じてNSTも介入しています。
糖尿病チーム
医師、看護師、薬剤師、理学療法士、臨床検査技師、歯科衛生士、管理栄養士の7職種で糖尿病患者さまの療養に関わっています。外来の糖尿病教室や入院の集団指導を多職種共同で開催しています。糖尿病パンフレットのような資料作成もこのチームで行います。
各種カンファレンス
循環器科、呼吸器科、血液内科、緩和ケアなどのカンファレンスに月数回参加しています。治療による食欲不振なども含め患者さまに合わせたケアについて話し合います。食べやすい形態や嗜好に配慮した食種の提案や対応、栄養指導実施などの提案をしています。提案により患者さまの食事摂取量が増えることで栄養状態の改善につながればと考えています。
その他
保健所管内栄養士連絡会、豊田加茂医師会などの行事にも積極的に参加し、地域との連携も重視しています。また、近隣施設の管理栄養士の皆さまとも情報交換会などを行いながら業務を行っています。
専門・認定管理栄養士取得資格一覧
現在働いているスタッフはこんな資格を取得しています
NST専門療法士 | 4名 |
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糖尿病療養指導士 | 5名 |
病態栄養認定管理栄養士 | 2名 |
静脈経腸栄養(TNT-D) 管理栄養士 |
1名 |
日本摂食・嚥下 リハビリテーション学会認定士 |
1名 |
がん病態栄養専門管理栄養士 | 2名 |
2年目栄養士が1年目を振り返って
1年目栄養士の主な仕事 集団指導、個人栄養指導、糖尿病教室の講師、検食など
社会人としても未熟で、すべてが失敗だらけの毎日でしたので、あっという間に過ぎた1年であったと感じます。
入社して初めて栄養指導を担当した時のことですが、患者さまに具体的な重量の変更、食材の提案、調理方法のコツなどを上手く説明することができなくて歯がゆい思いをしました。
そこで私は患者さまに合わせた食事の提案ができるように、献立を作成し、実際に計量して料理を作ってみました。3か月程続けた結果、具体的な料理の提案をすることができるようになってきましたが、その体験は自分の食材や調理方法など給食に関連する知識の未熟さを痛感した出来事でした。
管理栄養士の国家試験に合格することを目標に勉強した内容は、実際の臨床の場で基礎として役に立っています。しかし、日々の業務ではまだまだ知らないことがたくさんあり、今まで以上に勉強をする必要があると感じています。
病院栄養士の業務は責任ある業務が多いのですが、職場先輩から手厚い指導を受けることができるので安心して取り組んでいけます。
現在、私は外来の個人栄養指導を担当していますが、「数値が下がった」と患者さまが笑顔で話してくださる瞬間に仕事のやりがいや喜びを感じています。
また、患者さまから教えていただくことも多く、人としても成長させていただいています。これからも患者さまに貢献できるような管理栄養士を目指して努力していきたいです。
当院の福元管理栄養士が
日本栄養士会「トップランナーたちの仕事の中身」に掲載されました
日本栄養士会HPは こちら