経緯・基本構想
当院の起源は、1938年に挙母工場の設立にあたって工場内に開設された診療所です。1947年に地域の皆さまの病院として歩み始め、1987年にはトヨタ自動車創立50周年を記念して現在地に新築移転し、名称を「トヨタ記念病院」に改めました。その後、「災害拠点病院」、「地域医療支援病院」などの認定を受けるなど機能強化に努めてきました。
地域の基幹病院として、更に地域貢献するために機能強化しました。大規模災害時には被災者の受入拠点として診療体制を継続するための設備を整えること、高齢化に伴い患者さまが増加するとされる疾患への対応強化など、果たすべき役割を果たせるようにハード面を充実させました。
今後も利用者さまの声に向き合い、カイゼン、チャレンジを続け、より良い医療提供、地域医療の発展に努めてまいります。
受診される方へ
診療機能の強化
ハイブリッド手術室を完備
メスを用いた外科的手術を行う「手術室」とカテーテルを用いた内科的治療を行う「血管撮影室」を組み合わせた高機能複合型手術室です。2つの機能を集約したことで、外科的手術とカテーテル治療を同時に対応可能となります。麻酔装置などを備えた清潔なハイブリッド手術室内に、加えて立体的な画像が抽出可能な高性能血管撮影装置を設置したことで、手術前の状態と手術中の状態がCT画像を用いて比較することができるようになりました。
ダビンチ2台体制へ
2016年9月に導入した「手術内視鏡支援ロボット ダビンチ」を2023年3月に追加導入し、2台体制にしました。より多くの患者さまに、負担が少なく精緻な手術を受けていただける体制を強化しました。新たに導入したダビンチはデュアルコンソール(操作台が2台)です。これにより術者2人が同じ画像を見ながら手術を行うことが可能となり、より安全に手術を行うことが可能になります。また、熟練の指導医が手術に共に入ることで安全に高度な技術指導にも繋がり次世代の術者育成もできるようになりました。
化学療法センターを増室
がんの3大療法のひとつ「化学療法(抗がん剤治療)」を行う化学療法センターを15床から30床に増床します。通院(外来)で化学療法を行う患者さまも増えてきています。快適さの向上、安心感の確保を図りました。
血液浄化センターを増室
透析治療を行う血液浄化センターを9床から15床に増床します。透析治療で通院が必要な患者さま、手術など高度医療が必要な透析治療を行っている患者さまの受け入れ体制を強化しました。
ERトヨタの機能を充実
「断らない救急」をモットーに救急医療に取り組んできました。各種検査機器をER付近に集約することで、より迅速に適切な処置が行えるような設備を整えました。移転後も救命救急センターとしての役割を果たします。
ヘリポート設置で
受け入れ体制を強化
屋上にはヘリポートを設置し、災害時には広域から直接患者さまを受け入れることが可能になりました。また、救命救急センターとして山間部からドクターヘリで搬送される患者さまの受け入れ体制も強化しました。
臓器移植などの緊急搬送時にもヘリポートを使用します。
ホスピタリティの向上
個室を増床
182床から233床に増床しました。室内から景観が眺められるように全ての個室を配置しており、豊田市や岡崎市を眺めることができます。
アイランド型スタッフステーション
患者さまやご家族がスタッフに声掛けしやすく、スタッフとの距離が近く感じられるフルオープンのアイランド型スタッフステーションを設置しました。
また、ステーションの隣にガラス張りの薬剤準備室を配置し、常に病棟全体が見渡せるステーションとなっています。
患者さまに寄り添う「セル看護」
「セル看護提供方式」とは、スタッフステーションから病室まで移動する看護業務の動線のムダを省いて患者さまのそばで仕事をする看護提供方式です。4人床の入口横には患者のお声掛けにより迅速に対応できるよう、看護師のスペースを設けました。
待ち時間の過ごし方が変わる
受付時にお渡しする呼出機を用いることで、待ち時間の過ごし方が変わります。診察直前に呼出機にてお呼びしますので、これまでのように診察室付近の待合で長時間お待ちいただく必要がなくなります。
働きがいのある職場づくり
搬送用ロボットが
心のこもったケアを下支え
病棟エリアを中心に、トヨタ記念病院とトヨタ自動車未来創生センターが協働で開発を進めてきた「搬送ロボット」が稼働します。「患者さまに寄り添う時間を増やして心のこもったケアをしたい!」という医療スタッフの願いを叶えるため、トヨタの知識と技術を医療現場に導入しました。また、これまで各病棟で行っていた点滴の調製業務は、3階の注射薬供給室でロボットを活用しながら薬剤師が行い、病棟看護師の業務負担軽減を図ります。
交流スペース「トヨタベース」が
働く環境も快適に
活き活きと働きがいのある病院を目指し、職員同士が交流するスペース「トヨタベース」を設置しました。「限りないつながりを育む、シゲキと安らぎの場」をコンセプトとする当スペースは多職種カンファレンスやWEBセミナーを行うミーティングルームや、各部署の改善活動を行う作業スペースとなります。